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3人の限界Kドルオタによるあれこれ

【すや】深淵に潜る JINというアイドル、キムソクジンという音楽人

防弾少年団の長兄として、いつも優しくその広い肩でメンバーの止まり木となっているジンくん、お誕生日おめでとうございます。

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この佳き日に、あなたが突然世に送り出してくれた音楽「Abyss」と率直な胸の内を明かしてくれた文章へ、ささやかなお礼としてわたしも文章を寄せたいと思い、お祝いに代えて少し書いてみたいと思います。

 

ジンくんという人について、はおこがましく到底書けたものではないので、彼がわたしたちに聞かせてくれる歌について。
彼が奏でる音楽について、聞かせてくれるものを素直に受け取って。

※個人の一解釈ですが良ければお付き合いください。

 

月のあなた "Moon"という曲について

Moonという曲がある。
MAP OF THE SOUL:7に収録されている、ジンくんのソロ曲です。

Moon

Moon

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防弾にはなかったシンプルなバンドサウンドの曲。

ベースラインもドラムパターンもシンプルで、ギターもシンプル。素直に響く良い曲だと最初に聞いた時から一目惚れならぬ一耳惚れした曲でした。

 

ジンくんには味付けや無駄な装飾がいらない。
シンプルイズベスト。
無駄なひねりのない直球一発勝負が生きる。

そんなまっすぐに心に響く唯一無二の声を持ったボーカルだと思う。

 

それが楽曲構成にもよく出ていて、シンプルに胸を打つ曲になっているのではないかと思います。

俗に「空間系」と呼ばれるエフェクトがかかったシンセサイザー音がほぼ入っていない、KPOPジャンルでは珍しい曲。

楽器以外に空間を埋めるのは、ジンくんの声だけというシンプルさがあります。

 

キムソクジンの生身の声をぶつけるみたいな曲、Moon。
ジンくんという人の声が誤魔化しようもなく耳に真っ直ぐ届く曲です。

 

この曲がこんなにも、ジンペンのみならず多くの人から愛されることになったのは、長い年月を経てこの人が確立していった歌声の色や、表現方法や、ボーカル技術が為せるものなのだと思います。

それを人は努力と呼ぶ。

 

防弾少年団として長きにわたって向上し続けるジンくんの軌跡に思いを馳せる曲です。

 

防弾少年団のあなた JINというボーカル

ジンくんの声は、豊かであたたかみのある声。かと思えば少年のような透き通った儚さも持つ声。

 

ビブラートをかけずに声を伸ばすように歌っているときは、目が覚めるようなストレートさがあるけれど、空気の量は多めで、ときに揺らぐ声。
マイクを通したとき、加工したときにエフェクトがかかりやすいと同時に浮きやすい、ちょっと不思議な声だなあと思うことがあります。私見です

 

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安定感と感情表現の豊かさが同居するボーカルとして現在はそのボーカルスタイルを確立しているジンくんですが、(片鱗はあったかもしれませんが)初めからそうだったわけではありません。

 

JINというボーカルは、その成長とともにその魅力や、防弾少年団の音楽における役割が変化してきたボーカルなのではないかと思います。

 

Dangerから花様年華

大学生でスカウトされ、それまで練習生としてボーカルトレーニングをしていた人とは違い、歌の経験がなかったジンくん。

この時期は一生懸命歌唱力を向上させていた時期なのではないかと思います。やや儚げで優しい、ジンくんの心根が出ているような素の歌声。

 

▽本人も好きだと語るDanger

Danger

Danger

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ジンくんの良いパートがある初期曲。

初期はパート割がかなり少ないですが、ジンくんはこのときからずっと、自分のパートをすごく大切に思っていて、すごく大切に歌っている印象が強い。

ちなみにこういう治安の悪い曲で甘い声のジンくんのパートを持ってきて印象付ける手法は、のちにMic Dropでも出てきますよね。布石…?違うね。

 

▽布団キックとJust One Day

Embarrassed

Embarrassed

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Just One Day

Just One Day

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ジンくんの甘くて優しい素の声が生きているような印象。

まだ喉の強さを活かした今のストレートボイスを確立していなかったころだと思います。

 

花様年華とともに開花するボーカル

Converse High

Converse High

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少年のような可憐さや儚さも感じさせる、ジンくんのビブラートを利かせた甘くて優しい歌声。

Outro : Love is Not Over

Outro : Love is Not Over

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花様年華の曲たちとの相性がよく、クールキャラの打破も経て、情感豊かな歌い方に変わってきたようにも思います。

Save ME

Save ME

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また、メロディラインが美しい花様年華の曲の中で、ジンくんの声の音色が電子音に溶け込むことでさらに魅力が生きている曲も多い印象。

 

コンセプトのキー人物としてだけではなく、音楽的にもジンくんが花様年華で果たした役割って大きかったんじゃないかな?と思うのです。

 

そして、ジンくんの感情表現がまた一段階上がって爆発したのかな、と個人的に思ったのがYoung Forever。

EPILOGUE : Young Forever

EPILOGUE : Young Forever

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メンバーも思い入れが強い曲と語る名曲。

それまでやや抑えめだったようなジンくんの隠れた情熱が垣間見える歌が聞ける気がして、個人的にとても好きなジンくんパートがある曲です。

 

WINGSからLove Yourselfへ

花様年華を経て、抽象的な表現や自己表現が多くなったWINGS~Love Yourself。

ジンくん個人のボーカルのパワーが増していくのはもちろんなのですが、全体曲でもジンくんのボーカルの使われ方が少し変わってきたんだろうか、と思う時期でもあります。

 

▽Awakeのジンくん

Awake

Awake

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裏声とビブラートで儚く美しく聞かせるパートと、伸びる声の片鱗が見え始めたソロ曲。

花様年華までがセピアがかった儚さがあったとしたら、Awakeは淡い虹色の薄布を羽織ったような色のある美しい儚さがあります。

情熱的に歌い上げるラスサビでその薄布を脱ぎ、一気に世界に色が付くような気がする。

 

▽儚く美しい봄날(Spring Day)

Spring Day

Spring Day

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花様年華時代のエッセンスがありつつも、感情の滲ませ方が遥かに違うと思う曲。

ジンくんの美しいビブラートが生きている曲だなあと思っています。

 

▽낙원(Paradise)のユニゾンコーラス

낙원 Paradise

낙원 Paradise

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グループの中での声の立ち位置が変わったかもと思ったのがこの曲です。

ジンくんの声を中心にミキシングされている…?と思う箇所があり、楽曲の色を決める「この曲の声」としてリードしているのではないかと思いました。

 

どのグループにも、一聴したときによく聞こえてくる、そのグループのカラーを印象付けるメインボーカルっていますよね。

時折思うのが、防弾少年団の「声」って誰だろう?ということです。

 

結論から言うと、曲によって違うのではないかと思います。

防弾のボーカルラインの構成は少し特殊で。あまりに4者4様すぎるというか…。

よく言われていることですしわたしも過去のブログエントリで言いましたが、全くばらばらの個性を持つ4人が、それぞれ絶妙なバランスで適材適所に配置されることによって、楽曲に面白みと深みを創り上げているのだと思います。

 

なので、だれがその曲の「声」になるかで曲ごとに印象が全然違ったりする。

曲にもよるけれど、このParadiseのようにジンくんを「声」に置くことでユニゾンや重唱に安定感がでて、厚みが増す気がします。

 

そういう「声」を確立していったジンくんのボーカルスキルの向上ってやっぱりすごいなあと初期から通して聴いてしみじみと思います。

 

▽FAKE LOVEで垣間見たロックボーカルの素質

FAKE LOVE (Rocking Vibe Mix)

FAKE LOVE (Rocking Vibe Mix)

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ジンくんがエモーショナルに振り切って歌い上げるきっかけになった曲ってなんだろう、と遡るとやっぱりFAKE LOVEなのかなと思います。

また、ここで魅せたロックボーカル的なエモーショナルに声を張り上げる歌唱が、のちのDionysusへの抜擢、Moonのバンドサウンドの採用へと繋がっていったのではないかと。あくまで推測ですが…。

 

Epiphanyのジンくん

Epiphany

Epiphany

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やっぱり特別な曲ですよね。

この重みというか、地に足のついた感情の発露は、きっと長兄であるジンくんにしか成し得ないものだったと思うし、彼の日頃の思慮深さとか人生観の深みを感じたような気がします。

この曲を通して、感情表現の一種の極致へとたどり着いたジンくん。

一般人の大学生だった彼が、スタジアムいっぱいの熱狂する人々を沈黙させ、圧倒させる歌い手になっていったんだと思うと、その途方もない努力に頭が下がり、胸が熱くなります。

どれだけの道のりだったんだろう。

この曲で喝采を浴びるジンくんが好きです。

 

MOSシリーズでのさらなる円熟

Epiphanyでとどまらず更なる進化を遂げていくジンくん、本当にすごいです。

20代後半の人間が、精神的にはもちろん肉体的鍛錬も必要とするジャンルにおいてその力が伸び続けるって、どれ程の努力と胆力なんだろうか。

 

▽Dionysusのロックボーカルとシャウト

Dionysus

Dionysus

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FAKE LOVEで片鱗を魅せたジンくんの情熱的な歌唱にPDが気が付いたのか、最後のシャウトは全てジンくんだった。

びっくりしたとともにスタンディングオベーションでした。

 

▽Jamais vuにおけるジンくんの役割

Jamais Vu

Jamais Vu

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先ほど楽曲の「声」の話をしましたが、このJamais Vuの「声」はジンくんだと思います。

楽曲の色を決める存在として他のメンバーと溶け合いながらもしっかりと中軸を担うジンくん。曲の屋台骨となるようなジンくんのボーカルが好きです。

楽曲での役割もグループ内での彼の存在に近いような気がします。

 

個人的に好きなジンくんのボーカル

ちょっと余談ですが、上の流れに入らなかったものの好きな曲を一つ上げさせてください。

▽Heartbeat

Heartbeat (BTS World Original Soundtrack)

Heartbeat (BTS World Original Soundtrack)

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携帯アプリゲームBTS WORLDの主題歌。

ジンくんが持つ温かみと深み、少しの儚さをすべて楽しめる曲だと思います。そもそもこの曲自体が隠れた名曲だと思っているのですが…。

ジンくんパートがとても好きです。

 

異国のあなた "Crystal Snow"と日本語曲、そして"Dynamite"

ジンくんと外国語曲についても、少しだけ聞いて思ったことを書いてみたいと思います。

発音や発声に関して聞き取るプロではないので、あくまで個人的な感覚と感想になりますが…。

どの言語の曲にせよ、言葉を丁寧にしているように感じるジンくんの歌。耳に言葉が届きやすい歌い手だなと感じることが多いです。

日本語曲の長く伸ばす音韻と相性がいいのか、日本語曲のジンくんは美しく印象深いパートを歌っていることが多いように感じます。

 

Crystal Snowのジンくん

Crystal Snow

Crystal Snow

  • BTS
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
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Crystal Snowのことはいつか別記事でまとめようと思っているくらい大好きなんですが、ジンくんの高音パートがとても美しい曲で触れざるを得ませんでした。

ピアノやストリングスといった、弦の残響が残る曲とジンくんの声はやっぱり相性が良いのでしょう。伸びる高音が本当に美しいな、と思います。

ただ、高い音でも「音」ではなく「言葉」を歌うのがジンくんの凄いところではないでしょうか?

 

Let Goでも言えることですが、言葉とハイトーンが両立することで、楽曲の物語や流れを導いてくれたり、引っ張ってくれたりする力がジンくんの日本語ボーカルにはあるなあと思います。

外国語での長く伸ばすハイトーンでも言葉を捨てない歌い方ができるから、日本語曲が向いているのかな。

Let Go

Let Go

  • BTS
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
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Dynamiteの拍感

Dynamite

Dynamite

  • provided courtesy of iTunes

全編英語歌詞だったDynamiteでも、ジンくんは良い意味でジンくんのままでした。

こなれた英語発音にはなっていましたが、自分の歌唱スタイルが一切ブレていないジンくん。

一方で、ブラックミュージックを根っこに持つディスコファンク独特のグルーヴや拍感もきっちりとこなしていたのがジンくんでした。

ジンくんって楽譜で拍とか譜割り(※歌詞のリズム)をやっているんだろうか。

どんな方法にせよ、めちゃくちゃデモや拍に忠実にしっかりとぬかりなく練習している人なんだな、とDynamiteの「Shining through the city~」パートを聞いていて思ったのでした。(※拍の取り方が難しく、初期パフォーマンスではメンバー間で得意不得意が如実に出ていた箇所)

 

しっかりとした個性を持ちながらも、言語ごとのニュアンスやカラーにも染まれる人だと思います。

 

ここまで、アイドル歌手JINとして、ジンくんの歌の軌跡を振り返ってみました。

次はそれと地続きでありながらも、また違う存在感を放つ自作曲の話を、少し書いてみたいと思います。 

 

ある夜のあなた 自作曲"이 밤(This Night)"

이 밤 (2019)

Produced by Slow Rabbit
(Slow Rabbit, Jin, Hiss Noise, RM)

Additional Production - Hiss Noise
Guitar - 정재필
Keyboard - Slow Rabbit
Synthesizer - Hiss Noise, Slow Rabbit
Background Vocal - ADORA, coll!n (Vendors)
Recording Engineers - Pdogg @ Dogg Bounce in LONDON
- ADORA @ Adorable Trap
- EL CAPITXN @ CAPITXN SHIELD
- 박은정 @ Big Hit Studio
Digital Editing - Hiss Noise, EL CAPITXN
Mix & Mastering Engineer - 고현정 @ kokosound Studio (Assisted by 김경환 김준상 전진)

2019年のFESTAで突如投下された曲です。

スケジューラーには「By JIN」とだけ記載されていて、何々?!?どんな愉快なものが降りてくるんだろう?!とSNSが沸き立っていた当時、かなりの衝撃をもたらした曲でもありました。

 

ジンくんの初の自作曲「이 밤」。

この曲で初めて見えたのがジンくんの音楽性でした。

이 밤이 지나면
この夜が過ぎたら


나 홀로 남을까봐 두려워
僕は一人残されそうで怖い

透明な曲でした。いつまでも音が夜の闇に溶けて、大事だった存在を思い出す曲。

「悲しい」「怖い」という感情や、堂々巡りの思考、結論が出てしまった思考と追い付かない感情のジレンマを音楽に託す人なんだと思いました。

 

音楽は人によってどんな存在であるかは様々です。

聴く側であってもそのスタンスや音楽に求めるものは千差万別であるので、作る人たちにとって音楽がどんなものであるかというのは、真実その人にしかわからないし、それこそ人によって全く異なるのだと思います。

ですが、自作曲というのはその人にとって音楽がどんな存在であるかを感じ取れる量が、普段のポピュラーソングよりも圧倒的に多く、純度が高い気がします。

その人の「音楽」がどんなものであるか垣間見れるひととき。

そして、その音楽から滲みだす、どうにも誤魔化しようのない本心の欠片が心を震わせたり、突き刺したりするんだと思います。

 

そういう自作曲が、이 밤 だったのがとても意外というか、驚きでした。
あまりに率直に「怖い」という感情を描いた曲だったからです。

 

「ファンの皆さんには楽しいところだけをお見せしたい」と語り、事実それを貫き通してくれる誠実なジンくんは、アイドル活動としてはそのスタンスなのかもしれないけれど、音楽とのかかわり方はまた違うスタンスだったのかと。

ジンくんが音楽について自分と絡めて語っているところをあまり見たことがなかったから動揺したのかもしれません。 

 

アイドルの曲を歌う歌手としてのJINはたくさんたくさん見させてもらっていたけれど、音楽を愛して音楽をやり続けている人としてのキムソクジンをちょっとだけ見させてもらったような気がした曲でした。

 

 

深淵のあなた "Abyss"を覗いて

Abyss (2020)

Produced by BUMZU
(BUMZU, Jin, RM, Pdogg)

Additional Production – Pdogg
Keyboard – BUMZU
Synthesizer – BUMZU
Guitar – 박기태
Drum Production – Pdogg
Background Vocal – James Keys
Vocal Arrangement – Pdogg, GHSTLOOP
Recording Engineers – Pdogg @ Dogg Bounce
GHSTLOOP @ Phantom Field
Digital Editing – Pdogg, Hiss noise, GHSTLOOP
Mix Engineer – 박진세 @ Big Hit Studio
Mastering Engineer – 최효영 @ SUONO Mastering

2020年、自身の誕生日の2時間前に何の前触れもなくふと落とされた曲。

衝撃でした。

 

やっぱりジンくんは、どうしたって音楽をする人なんだと思って泣きました。

燃え尽きてしまっていて、いろいろなことを考えたり相談したりしていて、元来「分析して思考するタイプ」であるジンくんは、きっといくら信頼するパンPDの言うことであっても、いきなり鵜呑みにして曲を書いたりしないでしょう。

 

ジンくんの音楽ってきっとこういうことなんだと、이 밤で薄く感じていた「ジンくんはきっと何らかの形でずっと音楽を愛し続ける人だ」という思いがいきなり溢れて決壊してしまって。

 

デトックスという簡単な言葉では片づけられない、自己開示という言葉も違う気がする、ジンくんはどうやったって音楽をする人なんだ…と思ってしまいました。

 

ブログにもあって記者会見でも言っていた「音楽であれば(自分の悲しい感情を)お見せすることができると思う」という言葉が何よりもそれを表してたんだなと。

 

太くて力強い中音域の声と、切り裂くような高音の声。それと相反するようなぐらぐらと揺れる歌詞。はっきりと聞こえてくる言葉。ジンくんの心の一部分。

歌詞の文字上の意味を超えて、ジンくんの歌を通して滲む感情が苦しくて、なんて歌い手なんだろう、なんて音楽なんだろうと涙が出てしまう。

 

ジンくんは、そういう心の一番柔らかいところに沈み込むような音楽を作る人でした。

 

ジンくんの音楽 俯瞰する思考と音楽

ジンくんが奏でる音楽は、他の6人とも全く違っていて、2曲とも悲しい。

悲しいけれど理性的で、それがもっと悲しい。感情に振り回されるような曲ではなくて、冷静に悲しい。

 

ジンくんは、俯瞰的に物事をみて、客観的に思考する人だと思う。(MBTIもそういう診断だったし。)

ジンくんのそういうところがとても好きだし、かっこいい。ジンくんの行動には理が通っていて、メンバーもだし、アーミーもジンくんをお月様のように心強い目印にしていることが多いかもしれない。

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そういう、頼られていて正しくあろうと、幸せに生きようとするお手本のようなジンくんが、合理的な判断だったり論理的な思考だったり、それだけではどうにも解決できない感情を落とす場所を音楽にゆだねているのだとしたら…と少し思う。

だからこんなにも心を震わせるんだろうか。

 

思考するジンくんだからこそ、思考の末に、手に収まらなくなった感情を音楽にしてそっと流しているような、そんな印象を2曲から受けていて。

その思考と感情の純度の高さが、じわっと音に溶けだしているようで、悲しくて苦しい曲なのに、その嘘のない何かが伝わるようで、心が揺さぶられる。

 

わたしはそんな音楽人であるジンくんのことがとても好きで、とても尊敬しているのだと思う。

 

 

あとがき:深い海の底に潜って

いつも明るくて優しくて可愛くてかっこいいジンくんは、すごく思考する人だ。

だからその思考の海の底は本当に遠く深いんだと思う。

 

誕生日という特別な日に際して、いつもは意図的に思いやりと誠意をもって絶対に見せてくれないそんな深淵をほんの少し、覗かせてくれたジンくんをやっぱりとても尊敬するし、すごく優しい人だ。

 

ジンくんは、自分の思考の結果をあたたかい言葉としていつもわたしたちに分けてくれる。その言葉や考え方に救われた人や支えられている人も多いと思う。例にもれず、わたしも。

でもその考え方はきっと暗くて深い底に何度もダイブして見つけたもので。それを優しく笑って分けてくれるジンくんの優しさと強さにあこがれる。

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ジンくん、お誕生日おめでとうございます。

深い海の底に潜っては、きっと海の底から虹色に淡く輝く真珠を見つけ出す、

強くて優しいあなたに敬愛を込めて。

 

written by.

 

すや