集合知

3人の限界Kドルオタによるあれこれ

【でこ】憧れのお星様へ

 

ビニ

この1週間で、本当に色々なことを考えたけど、やっぱりただ会いたいです。

 

聞きたくなかった知らせを聞いたのは、TXTのライブを楽しんで帰ってきた深夜のことでした。
ライブ終わりのふわふわした高揚感の中、その日の出来事を一つずつ思い出して、さあ寝ようかなと思った時。深夜1時を回っていたかな。

 

血の気が退くってこういうことを言うんだって後から気づきました。
目の前が真っ白になって、手と唇の震えが治らなくて、パニック状態で…自分が自分じゃないみたいな感覚でした。
どうか嘘であって欲しいと願う気持ちと、受け止めきれない現実とのせめぎ合いで、大きな恐怖心に飲み込まれていきました。

 

Twitterのタイムラインも当然動揺を隠しきれていない人だらけだったけど、1時間もすると人がいなくなって、このまま自分が恐怖で張り裂けるんじゃないかと思いました。
あの夜、私のSOSに気づいてくれた友達には感謝してもしきれません。
すがる思いでかけた一本の電話のおかげで、どうにか一本の細い糸が切れずに済みました。
孤独と恐れは人を人でなくさせてしまう。ビニ、貴方もこんな恐怖を味わってしまったんでしょうか。

 

「かけてあげられる言葉が見つからなくて申し訳ないんだけど」
そんな第一声でも、重くのしかかる黒いわだかまりを和らげるのには十分すぎるくらいでした。
何もわからなくて、ただただ怖くて泣くことしかできなくて、それでもずっと電話口で背中をさすってくれてありがとう。

 

自分以外の暗い気持ちを到底抱えきれる気がしなくて、その夜はインターネットから離れる決断をしました。
覚悟のできていないまま不意に名前を、顔を目にしてしまうだけで、また恐怖に飲み込まれてしまう気がして。

 

翌朝起きたら何人もの知人が連絡をくれていました。
皆揃って「泣いていいから」「ゆっくり休むことだけ考えて」と、私自身を心配する言葉をかけてくれて、そのひとつひとつに本当に救われました。
正直今でも、「事務所が」「メンタルが」「仕事が」「きっとこうだったから」と、彼のことを憶測で話すような噂話やニュースは耳にしたくありません。
だからこそ「ムンビンに」ではなく「私に」声をかけてくれた人たちがいてくれたことに対する感謝は尽きません。皆本当にありがとうございました。

 

電話口で「今は考えたくない」と苦し紛れに漏らした私に、「いいんだよ、いっぱい考えていいんだよ」と友人は言いました。

 

考えれば考えるほど辛くなったけど、でも本当にいっぱい考えて、悔しさばかりが募りました。
もっとこの気持ちを前から言葉にしていれば、届ける努力をしていれば、そんな後悔が膨れ上がりました。
こんなきっかけが来てしまうまで彼の話をブログに書かなかったことは悔やんでも悔やみ切れません。

 

本当なら今頃はムンビンサナのステージを見られていたはずでした。
中止が決定したNEXT GENERATION LIVE ARENAの当日は、不意に空いてしまった予定を埋めることもできずに、やり切れない気持ちを抱えながらぼんやりと過ごしていました。
5月の単独公演のために申請していた有休を取り下げ、大阪の宿をキャンセルする手の震えは止めることはできませんでした。
4月頭のアイドルラジオ、単独公演行くなら行かなくて良いよねと見送ってしまった自分を心の底から恨みました。
人生のうちいつかはBad Ideaを生で聴きたいと心に決めていたのに、叶う日はもう来ません。

 

ずっと供給が追いついていなくて、このタイミングでようやく購入できたロボン。
家に届いてから開ける日を楽しみに置いておいたのに、ついぞ一度も紫の光を灯すことはできませんでした。
このまま手放してしまおうか、何度も悩みました。

 

私には悲しみを背負う資格があるのかどうか、日々苦しんでいました。
アロハと名乗るには到底烏滸がましいファンの端くれよりも、辛い思いを抱えている人はずっとたくさんいるはずで。
彼の家族、メンバー、友人、仕事仲間、そしてたくさんのファンの人たち…
私なんか涙を流す身分に値しないんじゃないか、そんな複雑な心境だったけど、それでもいっぱい考えることはやめませんでした。
今向き合わなかったら一生向き合えない。
この先ムンビンと目が合わないまま毎日を過ごすのは嫌だ、その一心で、考えて、考えて、考え続けました。

 

あの夜から一夜明けた木曜日、気を紛らわせようと普段通り仕事をしようと試みましたがやっぱり無理でした。
ベッドでうずくまって耐えてないとまた辛さに胸が張り裂けそうで、やむなく翌日まで休みをもらいました。
普段から信頼している上司に事情を少し話したら「自分だってそうする、今はその人のことを想うことに時間を使って」と全ての仕事を肩代わりしてくれました。
想うこと、考えること、それが最大限の弔いであり愛の証明だと、そう信じて、考えて、考えて、考え続けました。
あの時間がなければ今こうして言葉を紡ぎ出せるまでには至らなかったと思います。今度改めてお礼を伝えないといけない。

 

普段自転車で通り過ぎてしまう道を歩きながらゆっくり考えてみたり、スマホを持たずに浴槽に使って思いにふけてみたり…
図らずもぽっかりと空いた2日間は、日々忙しなく生きている自分自身を見つめ直すタイミングになりました。
でもやっぱり考えることって辛くて、心を休めるために他の拠り所に頼ることもあったり。
いつもは聞かないバラードに身を委ねてみると、不思議と心のざわめきが落ち着きました。

 

気持ちを整理するために、持っているCDや写真を集めてひとつの箱にしまいました。
決してたくさん持っていたわけではないけど、ひとつひとつに思い入れがあって、ああ、私は自分が思うよりずっとムンビンのことが、ASTROのことが大好きだったんだなと今更気づきました。
こんなことならもっと早くから…と思っても、過ぎた時間を取り戻すことはどうしたって出来ません。
せめてこれからは、この箱にしまいこんだ思い出を、胸の奥底にずっと持ち続けていたいです。

 

現実と向き合わなければいけない気がして読めていなかったファンタジオの公示。
「誰よりもいつもファンを愛し、想っていた故人の気持ちをよく知っているので、より悲しいばかりです」という言葉は決して綺麗事なんかじゃないと私でも分かります。
器用に言葉を紡ぐ口達者な人では無かったかもしれないけど、どれほど深くて大きな愛に溢れた人だったかは、彼の笑顔に全て現れていたことを知っています。
口角を上げて目を細めてくしゃっと笑う、屈託のないムンビンの笑顔がいつだって大好きです。

 

ファンタジオ本社に設けられた献花台には、今日もたくさんの眩しい思い出と満開の花々で溢れているみたいです。
彼を周りで支えてくれていた人々、彼に支えられていた人々、皆の手紙に綴られた思いを読んで、覚悟を決めたはずがまた涙が止まらなくなってしまいました。
心の整理がついていない中でも必死に明るさを示す文章の数々は、生前の彼の周りがいかに眩しさで溢れていたかの確固たる証拠なんだと思います。
直接花を手向けることさえできない、力不足な私でごめんなさい。

 

私はムンビンのダンスが世界で一番好きです。
雑食アイドルファンとして数多のダンサーを見てきた中で、「誰が一番好きなの?」と聞かれた時、数週間悩んで出した結論が彼のダンスでした。
彼の踊りに憧れて、体の動かし方から所作のひとつに至るまで、穴が開くほど動画を見ました。
繊細さと勇猛さを併せ持つ彼のパフォーマンスは紛れもなく唯一無二で、他の誰でも代わりは利きません。
「ヒョン、僕これからどうやってダンス踊ればいい?」ラキのその言葉で、彼がどれほどまでに強い思いを乗せて踊っていたのかが窺い知れます。
もう二度と見られないなんて、悲しいな。

 

昨年のアイドルラジオライブで撮影した一本の動画がスマホに残っていました。

MCのヒョンウォンに「やさしいな人ですね」と誉められてすぐに「もちろんです」と返すムンビン。
トークの中のほんの些細な瞬間で、動画を見るまで覚えていなかったくらいなのに、この言葉に全てが詰まっている気がして、肩を震わせて泣きました。

 

ムンビンは、やさしい人でした。
やさしすぎるくらいでした。
これからは自分に目一杯やさしくしてくれることを願ってやみません。
私にできることは、貴方が取った全ての選択を尊重すること。

 

「私たちのそばを離れ、空の星になりました」
いつだって、Wanna be your star!と言い続けてくれたムンビン。

 

さっき、手放そうかと迷っていたロボンに電池を入れて、夜空に向けて振りました。
これまではソウルと東京とで距離が空いていて満足に会いに行けなかったけど、これからは紫の光を灯せば、いつだって月からムンビンが会いにきてくれる気がします。
誰よりも近くて心強い、憧れの星になってくれました。

 

あと2日後、血を吐くほど練習してきたCrazy Sexy Coolの舞台の本番があります。
ASTROで一番好きな曲を借りてパフォーマンスできること、心から光栄に思います。
ステージに立つ3分間、どうか力を貸してくれますように。

 

いつだって私の憧れで、大好きな、やさしい人、ムンビンへ。
明日も変わらずに愛しています。

 


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