集合知

3人の限界Kドルオタによるあれこれ

【でこ】NCT 127メンバーの歌とラップを嗜む会〜Happy 127 Dayに寄せて・その①

今日は1月27日。

そう、

Happy 127 Day!!!!!

https://twitter.com/NCTsmtown_127/status/1612101828744814592

グループ名にちなみ、毎年1月27日はNCT 127とそのファンにとってちょっとしたお祭りの日なのです。今年はそんなお祭りに乗っかって、前からずっと書きたかった「イリチルメンバーの歌・ラップを嗜む」というテーマの記事をしたためました。

 

2022年の1年間、各メンバーのお誕生日を祝うために、そのメンバーの歌・ラップが最も映える楽曲(でこ調べ)を12曲セレクトしてプレイリストにまとめていました。

それぞれのプレイリストを振り返りながら、各々の聞きどころを紹介しつつ、各人の声の特徴に対する個人的見解をつらつら書いています。

記事容量・限界感情共に激重でお届けするため(…)、本企画は中編・後編に渡っての更新を予定しています。今回扱うのは誕生日順でトップバッターのドヨン・ジャニー・ジェヒョンの3名!三者三様の彩りが少しでも伝われば幸いです。

 

https://twitter.com/NCTsmtown_127

 

前書き:歌声4象限チャートの軽い説明

でこは何かとアイドルのあれこれを体系的に分析したがる嫌〜な性癖があります。その成れの果てに生まれた産物がこれ。

 

\歌声4象限チャート〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜/

 

色々なタイプのボーカリストを聞き分ける時、主に「発声位置の前後」「声の抜ける方向」の2要素によって4パターンに特徴づけることができると思い立ち、簡単なチャートを作りました。

以下なんとなくの解説ですが読み飛ばしても全く問題ありません。この後イリチルメンバーの歌声を語る際、このチャートに当てはめて話すことが出てきますがご了承ください。

 

発声位置の前後って?

日本語の「あ」、英語の「a」、韓国語の「아」を発音する時、微妙に口の形が異なりますよね。平たかったり、奥行きがあったり。ざっくり言うとそういう話です。

このチャートでは、「ア」という母音を歌うときに口が横に広がって口角が上がり、平たく明るい発声をする人=「発声位置が前」、その逆で口を縦に開き喉の奥の方で太く広がる発声をする人=「発声位置が後ろ」、と定義づけています。

 

声の抜ける方向って?

歌声に込める空気が少ないほど、歌声は突き抜けて聞こえてきがちです。このことを「マイク乗りが良い」と言います。よくメインボーカリストの歌声を「東京ドームの天井突き破るよう」と喩えますよね。このチャートのY軸が上にいくほどその傾向が強い、的な認識でOKです。

つまり、尾崎豊の「I LOVE YOU」の歌い出しで、「アイラ〜ブ」と歌うか「ホァイラハァ〜ブ」と歌うかの違いです。伝わる?これ

空気を多く含ませて歌うと、自然とエコーがかかったような響きになります。どちらかと言うとバラードやR&Bなど、ゆったり歌い上げる曲向き。声が抜けていってしまわない分、繊細な表現が聞こえやすいんです。

一方でガンガントラックが鳴っているダンスナンバーは、伴奏に負けないよう上に上に抜けていく歌声が求められることが多いです。鼻筋から頭頂部にかけて声を響かせるイメージ。

なお、声量の大小とは異なるのがポイント。声量があまり無いのにやたらマイク乗りが良い歌声だってあります。

 

4象限それぞれの傾向は?

声を響かせる場所のイメージが直感的にわかるよう、人間の横顔を重ねてみました。あくまでも私の主観ですが、4象限それぞれに位置する声のイメージはこんな感じ。

  • 右上(発声位置:前/声の抜け:上)=音数が多く分厚いポップソング向き、可愛さを感じる明るい声質
  • 右下(発声位置:前/声の抜け:下)=ハーモニーが綺麗でアコースティック曲に映える繊細な声質
  • 中央(発声位置:中/声の抜け:中)=印象的に耳に残りがちな主人公ボイス
  • 左上(発声位置:後/声の抜け:上)=力の緩急を最もつけやすく、ソウルフルな歌唱が得意な声質
  • 左下(発声位置:後/声の抜け:下)=空間に奥行きを生む、壮大な合唱・バラード向きの声質

器用なボーカリストは、曲のジャンルによって象限を行き来することもしばしば。Kポップ界のメインボーカル勢は中央上~左上に位置する人が多い印象です。

いずれはどのボーカリストがどこに属するか、事務所ごとの傾向はあるか、なんて体系的な話もしてみたいな。

 

前書きはこれくらいにして、本題のイリチルプレイリストに移ります!

どのプレイリストも、本人との相性や曲のテンポ・ビート・ジャンル等々にこだわって選曲&曲順を決めました。ぜひ1曲目から順番に聞いていただけると嬉しいです。

 

ドヨン(2月1日生まれ)

無限に形を変え、今なお研ぎ澄まされていく波の響き

イリチルの誕生日トップバッターは2月1日生まれのドヨン。今年のセンイルも気づけばあと5日に迫っていますね。

昨年のこの時期に「センイルプレイリストをまとめよう!」と思い立ったのは、紛れもなくドヨンの歌声があったからこそでした。ラインナップはこちら。

 

イリチルの中での彼も勿論輝いてるけど、私がたまらなく好きなのが「テイル不在時に遺憾無くメボ力(メボぢから)を発揮するドヨン」。これまでThe 7th SenseBOSSUniverse (Let's Play Ball)などといったU表題曲で圧倒的な起用率を誇ることからも、SMからの信頼が見て取れます。

プレイリストには、その際たる例であるMake A Wish (Birthday Song)を選曲しました。トレンディなヒップホップサウンドの中で、キリッと冷たい水中を漂うようなドヨンパートは曲全体の緩急を際立てています。深くまろやかなジェヒョン・温かい包容力のあるシャオジュンとの対比も◎。

その後に続くYESTODAYはドヨンの隠れた側面が堪能できる名曲…!テヨン・マーク・ルーカスのラップメンバーの中で唯一ボーカルを担うドヨンの歌声は、曲全体のチルなバイブスを受けてなのか、普段と比べて艶っぽく魅力的に聞こえます。

Fly Away With Me、そしてDay Dream(白日夢)は、これぞドヨンの真骨頂!と言い切れる空気感を持つ2曲。ドヨンの得意な発声は、どちらかというと後ろ寄りで空気を多く含む、合唱向きの歌声=チャート左下エリア。曲全体に浮遊感を生む、多重コーラスの担い手としても大活躍してます。

夢幻的なトラックとの相性そのままに繋いだのがLight Bulb(白熱灯)YESTODAYパートでも語りましたが、落ち着いたヒップホップの中に散りばめられたシーグラスみたいなドヨンの歌声が好き。

너의 하루 [Make Your Day]、そして元gugudan・セジョンとのコラボ曲・별빛이 피면 [Star Blossom]は、NCT全体で見ても珍しい3拍子の曲。ロマンチックなピアノワルツとドヨンの声の相性は抜群です。

続く헤어지지 말아요, 우리[Don't Say Goodbye]は、女性ボーカルとのデュエットだからこそ堪能できる、一音一音丁寧に紡いだ、普段より低めの音域が聞き所。

そしてこのプレイリストの個人的山場、나의 모든 순간[No Longer]へと繋がります。特別な思い入れを抜きにして、純粋な歌声だけで涙を流した唯一の経験が、武蔵野公演でのドヨンのこの曲でした。

音源での繊細な印象とはまた異なる、魂を震わせるような芯のある歌声は生歌でしか堪能できない贅沢な時間…!今なお研鑽を積み続ける彼の歌に対する姿勢に敬意を表して、敢えてライブバージョンの音源を入れています。

ドヨンのボーカリストとしての成熟を惜しみなく堪能できるのが、Magic Carpet Rideの見せ場である大サビのフェイク。この曲は正直ドヨンの独壇場だよ…リリース時の感想記事でも散々狂いましたが、もうキム・マライア・ドヨンが降臨しちゃってるからね。貴方がDIVA

プレイリスト制作当時の最新団体曲、NCT 2021によるBeautifulでも、ドヨンは最も重要なラストパートを任されています。NCT発足当時から構想があったこの曲はまさに「正統派SMサウンドのひとつであり、いかに彼の歌声が事務所から信頼されているか&壮大な合唱曲と親和性を持つか、の確固たる証明と言っても過言じゃないかと。澄んだ冬晴れの空が似合う一曲です。

最後に置く曲は、悩みに悩んだ末、ドラマOSTのソロ楽曲・Like a Starにしました。ゆったりと心地良い8分の6拍子のトラックは、「星のように」というタイトルに相応しく、遠くまで広がる夜空を想像させる幻想的な雰囲気。ドヨンは深い感情を込めるバラードも得意だけど、これくらい力を抜いてたおやかに歌えるようになったのは、積み重ねた経験による自信の現れな気がしてなりません。

 

蓋を開けてみると、ドヨンのプレイリストは全体的にスローテンポな構成になりました。

普段アップテンポ派の私が唯一バラードを愛聴するグループこそNCTなんですが、その要因の一つは間違いなくドヨンの歌声に惚れ込んでしまったことにあります。今年もまた新しい波にのまれたいな。

 

ジャニー(2月9日生まれ)

暖かな日差しを受けた大樹はまた一つ新しい花を咲かせる

イリチル内、そしてNCT全体におけるジャニの役割は、NEO ZONE以前/以後で大きく変貌を遂げました。端的に言うとラップメンバーとしての地位確立です。以降はラップメイキングに参加することも増え、積極的に歌割を掴み取ってくれています。色んなパートを聴けるのはやっぱり嬉しいもの。

歌、ダンス、そしてラップ、すべての武器を使い分ける彼の器用さを感じられる12曲がこちら。

 

1曲目のKnow Nowは、ヨンホ本人が持つバイブスがそのまま現れた気楽なヒップホップ。合いの手や低音ハモリなど随所で活躍を見せていますが、最大のお気に入りは2:18からの歌パート!ザ・アメリカ英語と言わんばかりに大きく口を開けた「a」の韻の踏み方が、全体的にキー低めな中、特に際立って聞こえます。

ヨンホのプレイリストを作るに辺り、真っ先に思い浮かんだのがDancing In The Rainでした。今や数々のラップをこなす彼のパートの中でも、グルーヴィーに流れていく、こなれた節回しがいちばん似合ってる気がする。

Pandora's Box(昼寝)は2022年ドームツアーの一幕を思い起こす一曲。

プレイリスト作成当時はドームツアー前。純粋に彼のパートが好きな気持ちで入れたからこそ、後からこのエピソードがついて来てくれて嬉しかったです。

そして、ドームツアーといえば外せないのが같은 시선 [Focus]。もはや説明不要なヨンホの曲……ですが、視界をシャットアウトしてもう一度耳に集中して欲しい!Cメロ前の浮遊感あるラップは、これまでに見せてこなかったヨンホの新たな一面です。艶やかなトラックに彩りを添え、極め付けの"What you wanna do?"で、もう、ありがとうございました────

公演関連曲でもうひとつ、Interlude: Regular to Irregular、そしてRegularを。ORIGINセトリ中盤のピアノソロかの如く、このプレイリスト内でも、これまでの気楽な曲たちから一転してハードなラインナップが続きます。ヨンホのRegularならやっぱり英語バージョンだよね〜!

イリチルが誇るメインラッパー・テヨン&マークの醸し出す空気感は他に代え難いものがありますが、後ろに一歩引いたヨンホの「圧」はまた格別。Sit Down!の2番頭で震え上がったシズニ、私だけじゃないはず。

周りのヨンホペンからの支持も高い(私調べ)ナンバーと言えばMusic, DanceそしてWork ItNCT全体を見た時、意外にもこうしたアップテンポのダンス曲はあまり多くないのですが、JOHNNY SUHのバイブスはその随所で花開きます。ダンスの実力は言わずもがな、やっぱりラップ担当としてアイデンティティを見出したからこそ、な気がしてる。脱いでるだけがヨンホだなんて思うな

象徴的な英語フレーズを任されることが多いヨンホ。中でもWakey-Wakeyは、真っ暗闇の中始まるイントロが強く印象に残ります。続くFarの2番Aメロ"What you're waiting?"は、その前の流れも相まって気持ちが昂るお気に入りのフレーズです。

そしてやっぱり最後はLimitless(無限的我)で締めないと!ヨンホのデビュー曲に相応しく、ヘビーなトラックに乗せた迫力あるダンスが脳裏に浮かびます。こうして振り返ると本当に歌割増えたんだなあ………

 

昨年のお誕生日時点ではまだリリースされていなかったため入れ損ねましたが、改めて作るなら絶対にGood To Be Aliveを入れたい。

Good To Be Alive

Good To Be Alive

  • HYO, KEY, CHEN, JOHNNY, NINGNING, GINJO, Raiden, IMLAY & Mar Vista
  • K-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

EDMを基調とした晴れやかなナンバーに相応しいNCTメンバーは間違いなくヨンホ。曲後半の堂々たるフロウを初めて聴いた時、またひとつ彼の新しい魅力が開花したのを感じました。数いるSMラップメンバーを抑え、納得の大抜擢です!!

 

ジェヒョン(2月14日生まれ)

甘くて苦いチョコレートには、一滴の馨しいブランデーを

ジェヒョンのテーマと言えばズバリ「二面性」だと思います。

ボーカリストとして/ラッパーとして、茶目っ気溢れるスウィートボイス/深くて苦い低音ボイス、隙のない端正なルックス/随所から漏れ出す雑ンオの波動、光の入らない漆黒の眼差し/目尻から蜂蜜が溢れるもちもち笑顔………もしかして:私ジェヒョンのことが好き

バレンタイン生まれのチョコレートボーイ、甘味も苦味も美味しく召し上がってください。

 

こいつに歌い出し振っておけば間違いない…というSMの自負が透けて見えるくらい、冒頭パートを任されることが多いジェヒョン。今回1曲目に選んだSweet Dreamも御多分に洩れず。深いテノールボイスとR&Bの相性は抜群!な一方で、敢えて発声を前寄りに寄せて可愛く歌い上げた2番の入りも大好き。

ジャニVer.で選曲した같은 시선 [Focus]が再び入っています。とにかく好きなのが"The reason why I'm up all night, up all night, eh"のエッジボイス…!後に続くDay Dream(白日夢)でも、冒頭を平たく歌ってみたり、2Bはファルセットに空気をたっぷり含ませたりと、曲をロマンチックに仕上げるテクニックが随所に光ります。

企画曲として発表されたTry Againは正統派アコースティックバラード。グループで歌う時よりもパートが多い分、ジェヒョンの幅広い音域を楽しめます。メンバーの誰より自在に4象限を行き来する器用さには脱帽。

Back 2 U (AM 01:27)はどうしてもライブバージョンにしたかった!!ジェヒョンがいなければ成立しないと言えるくらい大切な役割を担っている1曲で、会場の空気が彼のものになる瞬間は何度だって鳥肌が立ちます。静寂を撫でるように歌うORIGINセトリ、より感性を込めて歌い上げたTHE LINKセトリのアレンジバージョン、どちらも好きで選べません。

NCT U名義の단잠 [All About You]は参加メンバーの中でジェヒョンが最年長、というありそうで無かった編成も込みでお気に入りの一曲です。冬の陽射しのような柔らかいトーンの歌声を聴くと、2020年末に行われたN市全体Beyond Liveの演出が思い浮かびます。

ライブ定番曲となった名曲・TOUCHは、誰よりも朗々と歌い踊るジェヒョンの姿が印象的で…と言って賛同してくれるシズニは多いはず。うっとり聴き入るスウィートなA面を締めくくります。

B面はズバリ、ラップのジェヒョン!ここのところラップパートの分量がめきめきの増えていて、彼のポテンシャルが窺い知れます。

これまた公演でのヤバ床演出が記憶に新しいLove On The Floorですが、2番で繰り広げるウィスパー気味のラップには毎度毎度撃ち抜かれてしまいます…つくづくズルい男だよね本当…ハァ…

#絶対にSaveを諦めない、ことハイパー隠れ名曲のSave………!!!歌い出しはボーカリストとして、2番サビは低音ラッパーの一角として、ジェヒョンの両面を味わえる贅沢な一曲です。ねえ良い加減パフォーマンスしてよねえねえねえねえねえねえ

続く2曲は共に収録曲でありながら、どちらもイリチルの大衆イメージに近い曲です。ジェヒョンの貢献度は言わずもがな。NonStopラストの"Baby got me~~"とか、Bring The Noize後半の無双ラップとか、もう、ブレイクが彼のためにある。

そしてラストは、メンバーも「自分達らしい曲」と語るLemonade。これはもう満場一致でジェヒョン無双曲じゃない?1ミリも甘くないレモネード。

「イリチルらしさ」には色々な要因があるけど、個人的にはジェヒョンの声が鳴ってることは大きなファクターだと思ってます。テヨンは「THE NCT、ドヨンは「Uの肝」、テイリヒョンは「ネオカルボーカリストの頂点」マクドンは当然ドリムの顔も持ってて…な中、私的にはジェヒョン=イリチル、のイメージかなり強いです。

 

余談ですが、BreakfastReplay (PM 01:27)も直前まで候補に入れていました。常に馨しい残り香を纏うジェヒョンの声って、固く締まったディープハウスのトラックに空気の拡がりを添えてくれるので相性がいい気がしています。

打ち込みメインのハウス、生楽器主体のR&B…一見真反対にあるようなジャンルどちらもお手のものなジェヒョン。音楽への理解の深さがもたらす柔軟性によって曲に染まりつつも、天性のアイデンティティである「声」はどんな曲でもちゃんとジェヒョンの風味を感じさせてくれる。なのに才能が鼻につかないって、この人やっぱり凄いな………

 

イリチルデーはまだまだ続きます

気づけば1/30のカムバックは目前!!

それまでの間に残りのメンバーも更新できるように頑張ります。努力目標。

HAPPY 127 DAY、丸一日幸せに過ごしましょう〜〜〜(,^-^,)

 

つづけ