集合知

3人の限界Kドルオタによるあれこれ

【すや】推しがあまりにしんどい曲を出した -MAP OF THE SOUL : 7 'Interlude : Shadow'感想-

明けましておめでとうございます。

すやです。

昨年は読者の皆様方、本ブログ『集合知』をごひいき頂きありがとうございました。
本年も楽しく続けて行けたらと思っております、よろしくお願いいたします! 

私の記事はバンタンばかりで恐縮なのですが・・・ですが・・・ 

推しがカムバトレーラー出しまして

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MAP OF THE SOUL : 7 'Interlude : Shadow' Comeback Trailer

あの

 

いや

 

しんど・・・

 

MAP OF THE SOUL : 7 'Interlude : Shadow' Comeback Trailer感想をせっかくですのでログとして残したいと思い、勢いのままに書き残しました。

普段のブログより雑多な感想で、新年一発目の個人記事としては突貫クオリティとなりますが、ご容赦ください。

 

MAP OF THE SOUL : 7 'Interlude : Shadow' Comeback Trailer 初聴・雑感

 

 

Shadow…タイトルや雰囲気からして闇/鬱コンセプトなんだろうなとは予想していましたが、受けた衝撃が大きすぎて何も言葉になりませんでした。

 

音から受ける衝撃と視覚から受ける衝撃でいっぱいいっぱいで、英語歌詞の部分とほんのちょこっと最後の部分の韓国語歌詞だけしかわからない状態だったのですが…

それでも十二分に伝わるヒリヒリとした焦燥感と恐怖、口の中が乾いていくような絶望と、背筋が寒くなるほどの孤独感。

そしてそれを自分は到底理解できないんだということに打ちのめされて泣いていました。

SUGA=ミンユンギは人間であって、誰の偶像でもないんだということを突き付けられた曲でもありましたね。なんでこの人アイドルやってるんだろう。そんな気持ち。

 

しゃくりあげながら何度もリピートして、

そして午前2時ごろ英語字幕の存在に気がつく。遅い

英語字幕を見てまた泣きました。あまりにしんどい。

何がしんどいのかもわからないくらいしんどい。

 

Interlude : Shadow by SUGA 英語歌詞

Interlude : Shadow by SUGA

*I wanna be a rap star I wanna be the top
I wanna be a rockstar I want it all mine

I wanna be rich I wanna be the king
I wanna go win I wanna be …*

I wanna be a rap star I wanna be the top
I wanna be a rockstar I want it all mine

I wanna be rich I wanna be the king
I wanna be me I want a big thing
Oh boy let me see I got a big dream yeah

Woo I wondered everyday how far I’d go
I came to my senses and I find myself here

Yeah, hmm, shadow at my feet
Look down, it’s gotten even bigger
I run but the shadow follows
As dark as the light’s intense

I’m afraid, flying high is terrifying
No one told me
How lonely it is up here
I can leap in the air but also plunge
Now I know running away could be an option too, pause

People say, there’s splendor in that bright light
But my growing shadow swallows me and becomes a monster
Up high, high, and higher, higher
I only go higher and vertigo overtakes me
I rise, rise. I hate it
I pray, pray, hoping to be okay

The moment I'm flying high as I wished
My shadow grows in that blasting stark light
Please don’t let me shine
Don’t let me down
Don’t let me fly
Now I’m afraid

The moment I face myself brought lowest
It so happens that I’m flying the highest

Please don’t let me shine
Don’t let me down
Don’t let me fly
Now I’m scared
Don’t let me shine

(*2)

Yeah I’m you, you are me, now do you know
Yeah you are me, I’m you, now you do know

We are one body, sometimes we will clash
You can never break me off, this you must know
Yeah yeah can’t break me off, whatever you do

Yeah you’ll be at ease if you admit it too
Yeah succeed or fail, whichever way you flow
Yeah you can’t escape, wherever you go

I am you, you are me, now you do know
You are me, I am you, now do you know

We are one body and we are gonna clash
We are you, we are me, this do you know

https://youtu.be/PV1gCvzpSy0s スクリプトより

 

わたしは実は音重視の人間でして、音楽を聞いている時に歌詞が先に聞こえてくるタイプではありません。

楽器の一部としての声だとか、リズムの一種としてのフロウとか、言葉遊びでライムを作るラップだとか、音楽に対しては「歌詞の意味」よりは耳から入る「音」をまず重視するタイプです。歌詞を「詩作品」として読み込むことは別途で好きです。

だけど、ユンギさんが作る曲は歌詞がいやでも聞こえてくるし調べてしまう。怖いもの見たさでもあるんだろうか。

迸るメッセージ性というか。

作りこまれたトラックと相反する率直で鋭い言葉が為す"ズレ"がそうさせるんでしょうか。彼の音楽の「人を刺す」力はすごいなと思います。あまりに正直ですよね。

 

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以下、個人的なあれこれ

私はたぶんユンギさんをアイドル、いわばきらきらと輝いていてほしい存在(≒偶像)としては見ていない。ミクテでうっすらと感じていましたが、今回それが明らかになった気がします。なんていうか、好きなバンドとかアーティストを聴いてるときの感覚に近いです。

この人、生きてるんだなって思います。音楽聴いてて、音楽の向こう側に血の通った人間が見えることってそうそうありません。

そういう曲ってある種グロテスクで、目を背けたくなることが多いから、そう毎日は聞かない。聴きたくない、見たくない・・・。

人が辛いって言ってるところってそんなに見たくない、移るから。でも自分が落ちているときは、安心する。この人も独り、私も独り。そういう諦めというか一種ゆがんだ感情を、私は文字では持て余すタイプなので、音楽にそういう救いを求めているのかもしれない。

たぶん、どうしようもなくしんどいときに、私はこの曲を聴くんだと思います。 

 

歌詞についてちょこっとだけ:Rap StarとRockStar 

歌詞についてももう世界中のファンから語られてると思うのですが、気がついたことがあるのでちょこっとだけ。

I wanna be a rap star
I wanna be the top
I wanna be a rockstar
I want it all mine

この部分を聴いて、ラッパーなのにロックスター、なんだっけこれ…と、こんな記事を読んだことを思い出しました。
たぶん去年とかおととしの話です。今回急に思い出したので頑張って探して引っ張り出してきました。

eyescream.jp

 アメリカ、サウスシーンの若手ラッパーたちが、「ラッパー」というラベルを拒否している(していた)という話。

「俺はラッパーじゃない」
– リル・ヨッティ、i-Dにて

「ラッパーになりたくはないね」
– ポスト・マローン、GQにて

「ラッパーってなんなんだよ?」「俺はヒップホップじゃない」
– トラヴィス・スコット、Numéro HommeおよびMTVにて

 

「ラッパー」というのは本来ヒップホップジャンルだという概念がありましたが、近年「俺はラッパーじゃない」と言っているラッパーが多くいます。

ラヴィスは、ラベルやレッテルが生み出す制限を嫌っている。こうした姿勢は他のラップアーティストにも見られる。

DJ Boothは、2017年『“ラッパー”の死』と題した記事をリリースした。ここで引用されるのは、チャイルディッシュ・ガンビーノによる「ジャンルは死んだ」という言葉だ。

クロスオーバーが活気となった2010年代において、音楽のジャンル分けは意味をなさなくなってきている。そうした境界の拡張や融和を率いるのは、若きラップアーティストたちに他ならない

ゆえに、彼らの中には「ラッパー」呼称を拒否する者が増えてきたのかもしれない。

「ヒップホップは(ジャンルではなく)文化だ」という言葉があるように、ヒップホップ=ラッパーを自称するということで受ける制限は実は大きいものです。KPOPにおいてはそこまででもないかもしれませんが。

彼らは確かにラップをしている「ラッパー」であるものの、そのレッテルが生み出す音楽的制限を疎い、ラッパーと自称することを避けるようになりました。

「音楽においてジャンル分けは無意味だ」という考え方が広まるにつれて、それは顕著になっています。

このトレンドが話題になった2017年、「ラッパー」の代わりにラップアーティストの間で流行したあるイメージがある。それをリリックで耳にした人も多いだろう。「ロックスター」だ。

ラップスターになりたい、かねてより願ってきた夢を否定することはありませんが、歌詞にロックスターになりたいという一節も重ねてきたSUGA。

思うところがあったんでしょうか。

あの部分の歌詞はそういう流れも汲んでいるのかなあなんて。与太話です。 

 

Shadowから一夜明けて

朝にはもう多方面から優秀な和訳が上がっていましたね。ファンダムが大きいってすごい。

そして例のごとくMV考察と他楽曲との関連性などの考察がやまのように・・・!

 

今朝聴き直してみて思ったのは、多彩なトラックだなあということ。ビート変わりますしね。(冷静になってきたオタク)

あとはユンギさんのラップがますます洗練されていて、いろんなフロウが楽しめたのがよかったです。ミンユンギ節セレクション2020。

あの楽曲からこんな影響も受けたのかなあ、なんてちょこっと感想を抱いたので、書いておきたいと思います。

 

音楽的な感想をちょこっと《MAP OF THE SOUL : 7 'Interlude : Shadow' Comeback Trailerレビュー》

朝投下したツイートの切り貼りになりますがご容赦ください・・・。

①異種ビートをスイッチする構成のShadow

曲の途中で突然ビートとフロウが変化するところがかっこよかったですね(月並み)

 

②「歌うラッパー」の姿を魅せたSUGA

ラップのような節回しのシングパートがありましたが、juice WRLDに思いを馳せて涙が出ました。 歌うラッパーミンユンギ。

そしてShadowは「エモ・ラップ(エモ・ヒップホップ)」ですね・・・。

▶エモ・ラップとは:「ロックミュージックにも影響を受けながら厭世感や内省的な感情をラップする」wikipediaより

 

③過去曲『O! RUL8,2?』のサンプリング

言い尽くされてる気がするので言うことはありませんが、やっぱり繋がってるんだなあと。逆再生サンプリングになっているから「巻き戻し」を示唆しているのでは?なんて考察ツイをみてなるほど…と思いました。

 

④SUGA関連曲とピアノ

高確率でピアノが目立つ形で挿入されているSUGA自作曲。今回もありましたね。

 

例えばこの曲、Halseyとの「Interlude」も延々とピアノ鳴ってましたし、歌詞も関連性あるみたいだし、SUGAは自作曲につながりを持たせるのが好きなのかな、と思います。

手癖というよりは「敢えて」の手法なのかな、と(個人的解釈)

 

⑤どう頑張ってもシグネチャサウンドは見つけられなかった

SUGA曲に入ってるボイスクレジット、小声で「suga......」あれです。

どれだけ耳を澄ましても見つけられなかったです、曲に呑まれてるだけかな?聞き取れた方、教えてください。

シグネチャサウンド入ってないのはInterludeだからなのか、入れ忘れたのか、それともここまで散々語っておいてSUGAが作ってない・・・?!?(衝撃)

楽曲クレジットってカムバトレーラーだとみられないんでしたっけ?どうなんだろう。

 

シグネチャサウンドって何??って人はこちらどうぞ。

mi-casa.hateblo.jp

 

 

おわりに:防弾少年団の「絶望」と MAP OF THE SOUL : 7 'Interlude : Shadow'

何でこの人アイドルやってるんだろう、なんで防弾少年団というアイドルプラットフォームででこういう曲書くんだろう、と思うことは常です。

聞いていて苦しくなるような曲。癒しや希望や夢を与えたいと語る彼らとやや相反するような音楽性。

でもこのかたちが、彼がアイドルとして音楽をやる上での答えなんだろうなと、今回の曲を聴きながらも思いました。

 

SUGAさんは音楽の上で非常に正直な人です。一方でその率直で鋭利な言葉は諸刃の剣であるとも思います。

防弾少年団の楽曲において「恐怖」「嫌悪」「皮肉」「絶望」などを担当しがちなユンギさんですが、そういう楽曲を出すにあたって自分に返ってくるもの(もしくは返ってこなくなるもの)を彼は充分わかっている人なのではないかと思います。

『Seesaw』や他アーティストへの提供曲などからわかる通り、彼は(自分の持ち味・思考は反映しつつ)売れ線の曲も書けるわけですから。防弾少年団でも別にそういう曲書いたっていいわけです。

それをしないのは、自分のためかもしれないし、弟たちのためかもしれない、それが何なのかはわからない。

でも、防弾少年団で「SUGA」がこの絶望を一手に引き受けることの意味は大きいと思う。

 

次のトレーラーは防弾少年団の「希望」JHOPEです。光が強くなるほど影も濃くなる。それならば影が濃いほど、その光は強いはず。

 

ただその「救い」を待つことしか今はできませんが、あまりにしんどいこのカムバトレーラーが、日が昇る前の夜明けであることを願います。

 

感情のままに書き散らして終わる。

 

#1YearwithShadow 一周年を迎えて(追記)

1年が経った今も、この曲が出た時の衝撃はなかなか忘れられません。

聞くたびに胸がギュッと締め付けられるような思いになるし、聞くたび苦しい。だけど、作り込まれたサウンドとともに織りなされるSUGAの率直なリリックはやっぱり胸を打つ。

 

この1年、誰もが予想だにしなかったことが次々に起きて、世界中が絶望の只中にいました。

そんな時に、ユンギさんの魂が宿った音楽はたくさんの人の心に真っ直ぐ届いたと思うのです。

 

ユンギさんは音楽において嘘をつかない。極端な綺麗事は言わない。痛くて悲しくて辛くて、顔を背けようのない真実として、心の底で唸る音を奏でる人。

その真実がわたしの、及びたくさんの人々の慰めになっているんだろうな、と思います。

誤魔化したり嘘をついたりしない音楽は、お守りのような道標のような存在として、いつも行き場のない苦しみを掬い上げてくれたり、和らげてくれたりする。

 

音楽を奏でてくれてありがとう。

Shadowリリース一周年のお祝いの言葉に代えて。

 

Written by.

すや