集合知

3人の限界Kドルオタによるあれこれ

【のん】NCT 127「英雄/ Kick It」〜世界よ、これがNEO CULTUREだ〜

お久しぶりです、おのんです。

 

コロナ禍に加えどんより梅雨空が続く日々ですが皆様お元気でしょうか。

私は元気でした!! (そうですか)

5月11日に最愛の推したちを見送って早1ヶ月半。 

mi-casa.hateblo.jp

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 一喜一憂する日々でしたが、BTOBウングァンさんの1stソロアルバムの発売をお祝いしたり、

BTSデビュー7周年をお祝いしたり、BAN BAN CONで沸いたり、

mi-casa結成1周年をお祝いしたり、第二回PRODUCER 101をしたりしていたら

あっという間に過ぎました。

皆様のおかげです。ありがとうございます。

ということで(?)、早くも2020年も半分が終わろうとしている今

寝かせ過ぎた記事をいいかげん成仏させねば...と思い書き上げましたはこちら、

NCT 127「英雄/ Kick It」ダンス解説記事。

軽い気持ちで「ついでにメンバーの踊り方も分析してみよ〜」の回にしてみた結果、

膨大すぎて書き終えるまでに3ヶ月半かかりました。

リリース直後に書き始めたんだけどな...あれれ...

ということであまりに熟し過ぎた、かつとんでも長文記事となりましたが、

暇で仕方ない時などに暇つぶしとしてどうぞお読みください。

 

NCT 127メンバー全員のダンスを見比べてみた@英雄編

やってみてはいいもののゼェゼェしてます♡めっちゃ後悔した

まず、元々のNCT 127メンバーのダンスの特徴の雑感はこちら。

今見返してみてもあんまり変わってないかも。

ある意味、今回「英雄」で確立してきたなぁと思っています。

 

なお、記事を書くにあたり映像を色々と見比べはしましたが、基本的にこちらの映像の個人ファンカムバージョンを参考にしています。

全体版だけ貼っておきますね↓


[K-Choreo 6K] NCT127 직캠 'Intro + 영웅(英雄; Kick It)' (NCT127 Choreography) l @MusicBank 200306

Studio Kは本当に画質がいいねぇ〜!

 

 ※以下、完全に個人の意見ですので、「へーこんな感想もあるんだ」くらいの気持ちでお読みいただければと思います。

ダンスの好みは人それぞれですし、こちらの記事では誰が上手いとか、誰の方がレベルが上とか、

そういうつもりで書いたわけでは一切ないことだけご了承いただければ幸いです。

メンバー全員レベルが高いことには変わりないので、

推し、みんな、すごい!!推し、みんな、尊い!!

 

リーダー・テヨンさんの後は年齢順にご紹介します〜 以下敬称略です!

テヨン

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出ずっぱりまじでお疲れさまの方 その①。

いやほんと、毎度のことだけど、ほぼずっと踊ってる...

そしてNCTとしてだけでなくSuper Mも並行して活動しているのに見せない疲れ、

プロ意識の高さ、本当にお疲れ様です尊敬します。休ませてあげて...

という印象がまず出てきてしまうのですが、それは一旦置いておいて。

テヨンのダンスの最大の特徴は、ダントツにがあるというところですね。

スヤがよく言ってますがリアルファイ●ルファンタジーなテヨン、

今回のブルースリーコンセプト(?)も相まって主人公感がすごい。

コンセプト消化の巧さにも程があるでしょ...

ダンスだけでいうと、クセがある方だと思うんですね。

ずっと気になってて、なんなんだろう〜と思ってみてたんですが、手と腕に特徴があるのかなと。

色々振付を見返してみたところ127は足(ステップ)よりも手と腕、上半身を使うものが多いなと思うのですが、 

テヨンは特に肘から下への力の入り方が強いように感じました。

つまりは手先までしっかり力を入れて踊っているということ。

肩や上腕をしっかりと使って踊ったりここの部分で音を取ったりダンサーが多い中、肘下集中型って少ない気がします。前者は基礎っちゃ基礎なので当たり前ではあるけど。


NCT TAEYONG | Freestyle Dance | Paris In The Rain (Lauv)

↑ソロのこれとかまさに。なんてったって指の。

「英雄」もまた腕を使った振りが例に漏れず多い訳ですが、テヨンの特徴がよく生かされていると思います。

基本的に上半身が板のようにブレないし、腕が長いこともあって良い意味で硬い動きが映えるダンサーなのかなと。

あと、踊り方の話じゃないけどヘチャンやユウタと比べるとずっと表情が変わらず一定なこともサイボーグ感というか、

ファイナルファジー要素を強くしているのかなぁなんて思いました。

この存在感、センターかつリーダーということを抜きにしても、やっぱり唯一無二...

[追記]

2020年6月26日、体調不良のためMusic Bankへの出演取りやめと活動休止が発表されました。

デビューから走り続けてきた4年間。リーダーにグループ兼務に、と大変なことばかりだったと思います。

他のメンバーがしっかりカバーしていてグッときましたが、やっぱりあの華はテヨンにしか出せないなぁと改めて思ったのでした。

メンバーが全員揃って活動できていることのありがたみ...忘れたくないですね... 本当にゆっくりよくなるまで休んでほしいです。

テイル

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ダンスほぼ見えません(号泣)

いいよ...歌うまいからいいよ...でももうちょっとカメラさん抜いて...

あ、でも他のダンス動画とか見てて思うのは、あれだけの歌唱力があって踊れるということのすごさ。

振り覚えて踊れてればいいと思います。本当に。本当に。

普通に踊れるしね。

私は見たことないんですがでこすやが力説するモーゼ*1をいつかこの目で見たいと思います。

ユウタ

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我らが中本!

まーーーとにかく、表情管理がこの方はすごいです。表現力がダントツで高い。

あと決して身体が大きくない方だと思うのですが(周りがまずデカい)、本当に大きく見えますよね。

小柄なのに大きく見える気は前からしていたんですが、今回は特にそうだなと思いました。とにかくデカく見える。

大きく動く振り、全身をたっぷり動かす身体を使った振りが今回多いように思うのですが、

ユウタの踊り方は今回特に映えていたんじゃないかなぁと思います。

ジャニ

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まずビジュが優勝。(クソデカボイス)

いや、みんな思ったっしょ?思ったよね?あんな腹筋割れてるなんてさ聞いてないよ聞いてないんですよ???

みんなの旦那・ジャニさん開花しましたね。震える妻たちが散見されましたね。でもまぁあれは震えますよね。

今回のジャニさんのビジュアル、非常に恐ろしかったです。

あのお腹と胸のバンドは!!!ダメでしょう!!!!(もっとくださいの意)

...はい、ダンスの話に戻ります。

ジャニの特徴は、身体が大きい分踊りがダイナミックなところかと。

イリチルの曲構成的に、やはり前に出てくるのがテヨン・マーク、次にジェヒョン・ヘチャン、歌パートではテイル・ドヨン、というのが多い中、

オールラウンダーなジャニはその分上記のメンバーと比べるとパート的にはあまり目立たない...

と思われがちなのですが、デカいので目立ちます。

かつ、ちゃんと美味しいパートもらってます。今回の"Bruce Lee~"なんて鼻血もんでしたね。え?違う?みんな出たよね?え?

でもこれはただ単に"身体が大きいから目立つ"というのではないのが彼の凄いところ。

これは大きい人あるあるなんですが(誰とは言いませんよ誰とは)、「腕と足が長い分末端まで神経を使って踊るのが難そう」現象が起こっていないんですね〜。

これはしっかりと基礎ができていることの裏返し。 

動きが流れても全然おかしくないのに一つ一つの動きを大切にしっかり全身に神経を通らせて踊っているのでとにかく大きく見える、ということなんだろうなぁと思います。

あとかっこいい(わかったって)

ドヨン

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彼もね...テイルさんと同じくボーカルメインなのでね...あんまり映らないんですよね...

けど踊るとなればしっかり踊っていらっしゃると思います。NCT U常連メンバーですしね。

これは他の曲でもいえることなんですが、ドヨンは歌とダンスとのバランスがとても良い印象です。

勝手な偏見なんですが、SMってボーカル/ ダンサーをしっかり分けている気がして。

というか各グループにモンスターダンサー(意味:めちゃくちゃダンスが上手い人のこと。例:SUPER JUNIORウニョク、SHINeeテミン、EXOカイ)がいるから、ダンスに関してはそちらの皆様に目線を持っていかせる、という作戦なんでしょうけど、

それ以外のメンバーも普通に踊れるのでね。さすが天下のSMエンタ。

ただ、NCTEXOなどと比べるとボーカルメインのメンバーは歌パートの時しっかり止まって歌っているイメージがある気がします。歌にも集中させる、というのは新しい形なのかも。

ジェヒョン

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ビジュが良すぎて怖い(小声)

ユウタ・後述のヘチャンと逆で表情が本当に変わらない、と思いきやたまに邪悪な顔するほんと危険ですこの方💢

(でもそれが好き)(ちょろい)(一応推しです)(TMI)

ジェヒョンのダンスの特徴は"王道"、つまり基本に忠実なところかと。

癖がなくて、一番ストレートな踊りをしているなと思います。

そして表情もですが、踊りも余裕たっぷりです。くっ

注目したいのは、その"余裕"のカギとも言える「首のアイソレ」。

ダンスが上手いって何?ってよくある話だと思うんですが、そのうちの一つがアイソレーション

私がダンスの話をする時いつも言ってるやつですね。その割にうまく説明できないやつ。

直訳すると「隔離」「分離」「孤立」(悲しい字面だな)という意味の単語ですが、

ダンス用語では体の軸からその一部分だけ(例えば首や腰)を動かすという意味で、重要な基礎でもあります。

スクールに行くとストレッチ、筋トレ、そのあと大抵アイソレの時間があります。

そして最初できなくて心が折れかけます。が、めちゃくちゃ大事なんですこれが。

ダンスの上手い下手になんの関係があるの?って話になると思うんですが、通常のダンスの振付に加えてこのアイソレーションを加えるというのが実は難しくてですね...

難しいポイントはいくつかあるんですけど、

振りを踊りながら動かしている部分と関係ない他の体のパートに意識を向けて動かす、

かつ無駄な力を抜く、という技術が必要になる訳です(自分で書きながらまじでわからんなこの説明)。

まあつまりは、腕を一生懸命動かしている間に一見全然関係ない首まで動かす、ということを自然にできている訳ですジェヒョンは。そしてそれができる余裕があるということですね。

あとは最初にも書きましたがとにかく振りが正確、無駄がない

これはSMあるあるだと思ってるんですが、みんな踊れてしまう分振付をひねりがちで時々何やってるかわからない振り(例:Regular)でも、ジェヒョンを見ればちょっとわかる(ような気がする)ので、

振りを覚えたい方はジェヒョンフォーカスをまず見ることをお勧めします。

 

そして、基本的に「静」でありながら基本治安が悪い。(褒)

ジェヒョンも背が高いし動きは大きいはずなのに、表情と無駄のない動きとである意味シンプルというか、ミニマムな踊り方をされるんですよね。

なので、例えばヘチャンやジャニが「動」のダンスだとしたらジェヒョンは「静」なんですが、まぁ、治安がね...悪いです最高ですね...

ごめんね。ヘソばっかみずにダンスも見るね。

ジョンウ

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おかえりジョンウ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

初心者の私でさえグッとなったジョンウのカムバック、シズニの皆様はさぞ嬉しかったことでしょう...!本当におめでとうございます、そしてお帰りなさい!

さて、そんなジョンウのダンスですが、とにかく綺麗な踊りをするなぁというのが第一印象。

ジェヒョンと同じく正確、かつ無駄のない動きが特徴です。

あとはお顔とダンスとのギャップがすごい。

ビーフェイスなのに、動くとザ・男

ほんとに立ち位置悪くて映らないよね上手いのにさ(文句)

まずですね、「英雄」のイントロなんですが、ここフリームーブなんですね。

ハメる音だけ決まってるんですけど、

そのど頭の肩のアタック*2→首の動き→肩のアタックの時点でね、ヤバい。強い。男。上手い。かっこいい。(語彙力)

このアタックって基本的な動きだし、ほんと一瞬だし、すごくシンプルなんですけどその分技術が浮き彫りになるというか。

騒ぎ散らかしてますがとにかく基礎がしっかりあるからこそ踊れる綺麗なダンス、というのがジョンウの特徴なのかなと思います。

あと、今回この記事を書くにあたり色々ダンスを見比べてみたんですが、「BOSS」と比較するとこんな感じ↓

そう、身体がしっかりしました

「BOSS」の頃は線の細さが際立っていたけれど、戻ってきてからは特に腕まわりがしっかりしたかな。その分ダンスにも力強さが出たのかなぁと

きっと悩んだこともたくさんあったのだとは思うけれど、 お休みしている間自分自身と向き合って、休止期間を経てひとまわり大きくなって戻ってきてくれたジョンウ。

無理だけはして欲しくないですがこれからがますます楽しみです。

マーク

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出ずっぱりまじでお疲れさまの方 その②。

ほんと、ずっと動いてる...心配...涙

さて、マーク。PRODUCER 101でもデビューしまくりだったマーク。

彼の特徴はずばり常に全力、100%で踊っているところかと。常にずっと全力で踊っているイメージです。

とはいえ雑、ということではなく、緩急がないわけでもないのが不思議なところ。

きっと性格の真面目さがダンスにも現れているんだろうなぁ。

あと、特徴的だったのはイントロの動き。

「バウバウ」ってなんやねんもっと他に言い方あるやろ、と読み返して思ったけど思いつかなかった...

イントロのど頭の時に足も手も動かして音ハメしているのって、実はマークだけなんです。

みんな腕とか首とかを動かしている中、しっかりと毎回足まで動かしているマーク...

しかも、そう、ここ毎回全部変えてるんですよね...こだわりしか感じられなくて、プロ意識しか感じられなくて、とても好き...

そして言わずもがな、ラスサビ前のソロのところ。

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スクショがんばった

もうね、完全に主人公なんですよ...本当にプロ...

あと、見返しと比較も兼ねて見まくった過去動画と比べて、肩周りに筋肉がしっかりついていてすっかり青年の体つきになっていてびっくりしました...

いや、あれだけ働かされてらされてりゃそりゃ筋肉もつくんだろうけど...こちとらいつまでも可愛い可愛いチューインガム噛んでるイメージが抜けきらないのでね...(親戚のおばさんモード召喚)

どこまでも成長し続けるこれからのMARK LEEにも期待です。身体だけには気をつけてね頼みますよエッセムさんていうかいい加減学べ

ヘチャン

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一言で言うなら表情管理の鬼

顔で踊ってますよね?っていうくらいの表情の豊かさがヘチャンの最大の強みかつ特徴だと思います。ほんとにすごい。

あとは、スタイルがいいメンバー揃いの中でも特に長い手足をお持ちなので、腕を使った振りが多いNCTの踊りが良ーーーく映えること映えること...!

そしてマンネとは思えない色気、存在感、雰囲気の出し方。

スイッチが入った時の妖艶な表情はヒョンたちをも霞ませる恐ろしさ...

ヌナ、タジタジです。さすがヌナキラー。

ステージを降りるとクソガキ自分の立場をよくわきまえデキるマンネになるヘチャンですが、一度スイッチが入ってしまえば表情管理の凄さも相まってそこはもう彼の独壇場。

最近ようやく二十歳になりましたけど...え...すでにこの色気...?これからが恐ろしく楽しみですね...(震)

デビューから4年が経ち、NCT DREAMと並行して活動しながら歌もダンスもどんどんレベルを上げてきているヘチャン。

これからがますます楽しみです。

 

...お、お、終わった...全員書き終わった...(息絶え絶え)

Neo Cultureの時代へ

さて、ここからはメンバー毎ではなく、NCTとしてのダンスの特徴について書いていきたいと思います。

「コンセプト」×「奇抜さ」

コンセプトフォトが出た時から「中華?!」とシズニそしてKPOPファンをざわつかせた、今回のNCT 127のカムバック。

あのパンダはなんだったんだろうか

蓋を開けて見たら曲調にも振り付けにもほとんど中華要素はなかったわけですが、それでも結果的に「これぞNCT」と言わしめることとなりました。

NCT 127の代表曲として名を挙げることになった「英雄」ですが、その根底にはやはり彼らがずっと核としてきた"奇抜さ"があり、

そこに今回は"中華"というコンセプトが加わったことで強烈なインパクトを与えることとなったように思いますし、

デビューから4年経ったこのタイミングでこの曲とコンセプトで活動したことで、現在のKPOP界におけるNCT 127の立場が固まったのかなと。

今後も奇抜さとコンセプトととの相乗効果が期待されていくのだろうなと思いますし、この2点を抜きにしてもはやNCTというグループは語れないのではないのかなぁと思います。

「奇抜さ」×「奇抜さ」

これについては後述しますが、他のグループとNCTとの最大の違いは振付の"奇抜さ"にあると思っています。

例えば、NCT 127を代表する曲「Cherry Bomb」

曲調も当時のKPOPの中では異質で聞いていた身としては衝撃でしたが、かなり振付も尖っているというか。。。

特に「If you are happy and you know it clap your hands」の振りで顔を覆うように手を開いてグルグルする振り。

何をどうやったら思いつくんですかあの振りは

そしてどうやったらかっこよく踊れるんですかテヨンとジェヒョンにしても無理あるぞ

MVを見るとお面をかぶっているので、まぁそこから来ているんでしょうけども...

とにかく、「なんだこれ」と思いつつも一回見たら忘れない、そんな強烈な振付が多いわけです。

そして、カウントではなく音や曲に合わせた振付になっています。

もちろんダンスなのでカウントをガン無視、ということはないけれど、圧倒的に振りのアクセントも音に合わせて当ててくることが多いです。

例えばBTS「MIC DROPは典型的なhip hopベースの音と振付ですが、

音の取り方も全てカウントに合わせて作られています。

(*ここでいうカウントとは、8ビート*3×4エイト、のことです)

それに対して、先述の「Cherry Bomb」やデビュー曲「Fire Truck」はカウントに合わせてどう、というよりは音に合わせて踊っていると思われます。

というか音が細かすぎてカウントに直されたら泣く。覚えられん。

振りが8ビートと16ビートに合わせるのが混ざりすぎてて頭大混乱、音で覚えた方が断然楽なんです...

一応がんばって「Cherry Bomb」なんかはエイトカウントに落とそうとしてみたんですが無理でした。「ここの音/歌詞に合わせて覚えて」って言ったほうが楽。

あとそもそもの音がカウントをベースとして作られていない曲も多い気がします、多分。

まだまだNCT初心者だった時代、Regular」の振りを見て大混乱したのはこのせいだったんだなとやっとわかりました。

今ならちゃんと覚えられる!多分!(何度目) 

奇抜な音楽と奇抜な振付によって構成されるグループ、それがNCT 127といっても過言ではないのではないでしょうか。

アイドル戦国時代とNCT

"揃ってナンボ"

続いてはダンスのお話。

2015年前後からのレンドはずばり"ガチ揃え"

軍隊(並のガチ揃い)ダンスで世間を圧倒したBTS例:DOPERUNI NEED U)の衝撃と、

群舞の鬼・SEVENTEEN例:NICE VERY NICECLAP)のデビューを経て、"揃ってなんぼ"のダンスが主流になりました。

対するNCTは2016年デビュー。

2016年デビューといえば、でこの記事にも取り上げられているPENTAGONそしてGolden Childがいるわけですが、

振り返るとこの年はKPOP界の縮図が変わってきた年でもあります。

それまで天下を爆走していたSM、JYP、YGの三大事務所を脅かすグループが生まれ、年末には当時まだ弱小事務所だったBigHit所属のBTSが年末小レースを総ナメに。

そんな第2次アイドル戦国時代(適当)の幕開けとともにデビューしたNCT

「歌が上手い」「ダンスが上手いかつ揃っている」「ビジュアルがいい」というのはもはや当たり前で、

加えて自作能力まで求められるようになるというアイドルへのハードルがとんでもなく高くなった(書いてて怖くて泣きそう)中、

やはり生き残るためには他のグループとの差別化が求められるわけです。

もちろん、そこは歌やダンスの才能と優れたビジュアル、そして長年の練習生生活を乗り越えるという努力の才能も兼ね備えているSM練習生。

アイドルに求められる必須条件はしっかりと持ち合わせているわけですが、もはやそれだけでは生き延びられない。

しかも彼らが所属するは泣く子も黙るSMエンターテインメント

先輩には当時の圧倒的王者EXO、レジェンドダンサー・テミンを筆頭にカリスマメンバーたちを有するコンテンポラリーグループSHINeeバラエティアイドルの元祖・SUPER Junior、そしてアジアの帝王・東方神起を持ちながら、

防弾少年団SEVENTEENなど三大事務所以外からデビューを果たした実力はグループたちが頭角を現し始めた、

まさしく戦乱の世にデビューを果たしたNCTに求められたのは圧倒的に他のグループと違う何かだったわけです。

それがまさに、前述した”奇抜さ”だったのではないかと。

はじめは「なんだこれ...?」と視聴者に動揺を与えたであろうNCTのコンセプトそしてダンスでしたが、それが徐々に受入れられ、個性として、強みへと変わっていったわけです。

"細かい振り" 

ちなみによく使われる"細かい振り"ってなんやねん、とお思いの方もいらっしゃるかと思うんですが、ざっくりと説明すると

①振り数が多い(=一つの音のフレーズに対して振りが多い) → 例: 「Chain」の「ビリビリ痺れる〜」(ここの振りマジで鬼畜だと思う)

②振りそのものは早くないがニュアンスが細かい(=角度やアイソレなど) → 例: 「Touch」のサビ

の2種類かなと。

「英雄」はこの"細かい振り"のどちらも少なかったように思います。

加えて振付の話になるんですが、今回は基本的に振付がオンカウント(単純な音の取り方)で音を取っていて、"KPOPダンスあるある"のエンカウント(いわゆる"裏拍")を取っていないこと、

あまり複雑な動きを取り入れていないこと、でもだからこそ誤魔化しが効かない、そんな振りになっていたんじゃないかなと思いました。

 

あと、"細かい踊り"に関してはこんなことも思っていたりして。↓

一時期のKPOPの振付って"早いビート×鬼細かい振り"がデフォルト(例:GOT 7「If You Do」)、みたいな風潮があったような気がしていて、

もちろんそれを踊りこなしてしまうアイドルの皆さんは本当に素晴らしいんですが、最近はその逆の現象が起きているように感じます。

「英雄」は2020年KPOPの代表曲に間違いなく上がると思うわけですが、

その他の曲を見てみてもBTS「ON」TxT「Run Away」PENTAGON「Dr.Bebe」、そしてSEVENTEEN「Left & Right」

どれを見てもわりと「テンポが遅めな曲×音カウントの振り」ですよね。一見。

まぁ自分が踊るとなるとぜーんぶ難しいんですけどね。ハハッ。

"振付の細かさ"というよりも踊り方や魅せ方など本質的な部分で勝負されることが増えてきたんだろうなと思います。デビューするのもみんな踊れる子ばかりだし。

 

あえて揃えない、揃えなくていいダンスへ

さて、"ガチ揃え"のダンス、そしてさらに”細かい"ダンスが踊れてこそ、とされていた時代はそれが徐々にスタンダードと化したこともあり徐々に終わりを迎えました。

例えば"軍隊ダンス"が代名詞となったBTSは、タイトル曲の「DNA」(2017)では揃っているダンスで魅了しつつ、

MIC DROPではメインダンサー・J-HOPEの無双ともいえるhiphopを前面に出した振付へとシフト。

次曲Fake Love「IDOL」(どちらも2018)、そして「Boy with Luv(2019)では「振りを揃える」ということよりも世界観を重要視した振付へと変わっていきました。

2018年前半にリリースされたPENTAGON「Shine」は、見た人が誰もが踊れるような振付で一世を風靡。ロトゥキンでもみんな踊ってたね...涙

つまり、今のKPOPのダンスは"揃っている"ことが前提にありつつもいかに個性的であるか、カッコよくあるか、

言い換えてしまえば”揃わなくてもかっこいい、コンセプト重視&消化"が重要視され、まさにNCTが武器とし続けてきたものがこれなのではないかと思うのです。

そして、それがようやく大衆に受け入れられたのがまさに今回の「英雄」でした。

「Let me introduce you to some New Thang」の、両手を上に上げながら手を交互に回す振りはそのメロディとともに強烈に印象に残りますし、

振りのインパクトとキャッチーさでいえばBTS「ON」よりも遥かにわかりやすく、印象も強い。

2020年にKPOPを見聞きした人なら必ず覚えている振付、と言えるでしょう。

名実ともにNCT 127を代表する曲に「英雄」はなったのではないかと思います。

やっと世界がNCTについてきたという話

ここまでダンスの話をメインにしてきましたが、独特な曲調もまたNCT特徴でもあります。

NCTのデビューをNCT U「7th Sense」をリリースした2016年4月15日とすると、ここまでの2016年のヒット曲は

GFRIEND「Rough」MAMAMOO「You're the Best」GOT 7「Fly」BTOB「Remember That」Block B「Toy」など、口ずさみたくなるようなメロディラインの曲ばかり。

一方の「7th Sense」といえば、「...お経?」と思ってしまうようなとてもアイドルのデビュー曲とは思えないようなイントロから始まります。

振り返ればここから"奇抜コンセプト"での勝負は始まっていたのでしょう。

 

しかし、じわじわ効いてくるのがNCTそしてSMの恐ろしい素晴らしいところ。

すでにダンスについても触れた「Cherry Bomb」Simon Saysはもちろんのこと、

「Regular」「Superhuman」と確実に評価を経ていきます。

そして最新曲「英雄」。

"Neo Culture"が少しずつ、しかし確実に受け入れられはじめてきたのかなと思います。

 

あとは、NCTという大きな枠でのお話。

一言で「NCT」といっても、127があり、DREAMがあり、Uがあり、そして同じ線の上にWayVがあり。

それぞれが多様な"culture"を持っていて、でも大きな絵として見るときちんと一つの作品になっている。

色々な挑戦を経て、さらなる"Neo Culture"をおそらく作り続けていくことになるのだろうと思います。

王道アイドルに見えて唯一無二の存在であるNCT。これからの活躍と変遷がますます楽しみです。

とりあえずNCT 2020を楽しみに、残り半年間を過ごそうと思います。

あああっ長っ!終わり!!!!!!!!

最後までお読みくださり本当にありがとうございました。(感涙)

 

音源はこちら↓

Kick It

Kick It

  • provided courtesy of iTunes

 

*1:ライブで左右がパカッと割れた真ん中からテイルさんが出てくること。

*2:体を音に合わせて打つ一瞬の動きのこと

*3:一小節を8個にわけるカウントの取り方。1・2・3・4・5・6・7・8で1セット、これで1エイト。倍にして一小節を16回に細かく分けると16エイトになる。